色と重さ

光のマジックにまどわされない

光によって宝石の輝き方が違ってきます。宝石によって、昼間の太陽の日をうけると美しい色の輝きを放つものと、夜の電灯や蛍光灯の光のほうが輝きを増すものがあります。また、光によって色が変わる宝石もあります。最も代表的なのは、ロマーノフ王朝の皇帝アレクサンドル大帝にちなんて名がつけられたアレキサンドライト。この石に含まれている色の成分によって、昼の白日光線、てはグリーンあるいは暗緑青色に、夜の人工照明(蛍光灯を除く)、ては暗赤色に見えます。たいへん希少価値の高い宝石です。同様に色変わりする合成コランダムにばナジウムを加えたものもあります。また、アクアマリンは夜のほうがよく光る石です。夜にきらびやかな宝石をつける欧米では、夜は暗く沈みがちなエメラルドよりもアクセサリーとしてはアクアマリンのほうがつけやすい傾向があります。

ダイヤモンドやルビーは紫外線に反応します。紫外線が強いところでは、ダイヤモンドの最上級といわれるブルーがかった透明な輝きになります。ルビーもビジョン・ブラッド(鳩の血)のたいへん美しい色に見えます。紫外線の多い国や場所では特に注意が必要です。

また、宝飾店では、照明を工夫して宝石に合ったライティングをしていますので、自然光で見ると違ってみえることがあります。ルビーは紫外線だけでなく熱電球の下で見るとたいへん美しく見え、蛍光灯の下では紫系の暗い色になります。反対にサファイアは蛍光灯で見ると美しくみえます。ちなみに、無色透明のダイヤモンドのカラーのランクづけは「北向きの部屋の、午前十一時の太陽を背にした光」で見たうえで決めることとG・I・A・(米国宝石学会)は規定しています。

宝石にキッスしてわかること

真珠や珊瑚など有機質の宝石を除いて、ほとんどの宝石は鉱物です。イミテーション(模造)のガラスやプラスチック、セルロイドなどよりも、鉱物は冷たいという特徴があります。イヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなどの鉱物の宝石を選ぶ時は、この冷感を確認してみましょう。手のいちばん敏感な部分である親指と人指し指の聞の付け根に、宝石をそっと当ててみてください。冷たい感じがすればまさしく鉱物、です。同様の理由で宝石にキッスしてみたら、唇も温度を感じ易い部分ですから。ただし、ルージュをつけてはいけません。

宝石の重さと大きさ

宝石の重さの単位はカラット。一カラットが0.2グラムです。リングは、腕(アーム)の部分に刻印されています。ネックレスやプレスレットは留め金の部分に、ペンダント・ヘッドには、その裏側に必ず刻印が押され、表示されています。多くのジュエリーをみているうちに、おおよその大きさとカラット数が判断できるようになってきます。ダイヤモンドの場合は、多くがラウンド・プリリアント・カットですが、その直径がだいたいのカラット数の目安になります。石の厚きやカットの形式によって誤差はでますが、0.50カラットで約5.2ミリメートルです。50円玉の穴の大きさは約5.5ミリメートル弱なので、この穴が通る大きさがほぼ0.50カラットだと覚えておくとわかりやすい8でしょう。

信用あるお店ではないことですが、カラット数が小さいわりに宝石の直径が大きいというのは、カットが平ぺったい形になっているということです。小さい石を大きく見せようとするとこうなります。反対に直径が小さいわりにカラット数が大きい場合は、カラット数を大きくするために下方などに余分な部分を残しているのかもしれません。いずれにしてもいびつなカットになっているはずです。カラット数と石の直径のバランスに注意して、よく見比べてみましょう。

ただ、難しいのは、石によって比重が違うことです。比重とは、水を基準とした重さの比率です。ダイヤモンドは水の3.52倍。ルビー・サファイアは4.00倍。エメラルドは2.71倍。水晶は2.65倍です。つまり同じ大きさ(体積)でも石によってカラット数(重さ)が違うのです。先ほど、ラウンド・ブリリアント・カットは0.50カラットで直径約5.2ミリメートル言いましたが、これはダイヤモンドの例です。比重の軽い水晶だったら同じ0.50カラットでももっと大きな直径になります。

ちなみに、金属の比重は、シルバーが10.5倍、ゴールドが15.32倍、プラチナが3.50倍です。